研究計画書デザイン2 [読書会]
読書アウトプットシリーズ2
これは読んだ本を自身が身につけていくことに主眼を置いた記事です。
振り返り用の私的アウトプット。
今回の本は、前回の続き、細川英雄著【研究計画書のデザイン】です。
引用について、基本的に同著からのものは【】で提示し、ページ数などは割愛いたします。
読んだページ:第2章 P27-P46
今回の引用
1【志望動機は、問題意識の根っこ】
2【現場感覚を大切に】
3【問題関心から問題意識へ】
4【目的のある深い議論へ向けて】
5【テーマを一つに絞り込むための手順】
6【現場の「なぜ」を生かす】
7【テーマの把握から他者への提示へ】
8【データの扱い方】
9【個人的な経験やエピソードの意味】
1【志望動機は、問題意識の根っこ】
この本自体の問題意識として、ハウツーだけではなく、そこへ至るプロセスが大切にされている。
志望動機はそもそも入学等への手続きではなく、本質的な動機。
当たり前ではあるのだけれど、改めてそこを見つめ直すきっかけになった。
個人的なエピソードを出発にしたらどうかと提案している。
これは自身の問題意識をはっきりさせていくために必要なことだと思う。
2【現場感覚を大切に】
筆者も言及しているが、これは必ずしも現場での仕事に関する具体的な方法そのものを示すものではなく、【毎日の仕事の中での何かに引っかかる感覚、これでいいのだろうかという感覚】。つまりは日常の振り返りの中に生まれてくるものを言語化することの大切さを説いているのだろう。
3【問題関心から問題意識へ】
手順と内容に至るプロセスを述べている。
【①研究テーマ ②研究目的 ③研究内容 ④研究方法・計画 ⑤研究成果に期待されるもの】
これらは書くというスキルだけの問題ではなく、【自分のやりたいことや考えていることを実現するための、具体的な道筋や方向性として考える事】。
もう少し具体的なところで、関心から意識へのプロセスを以下のようにまとめていた。
4【目的のある深い議論へ向けて】
私たちの関心というものは、好奇心の旺盛な人であっても、そうでない人でも、それを広げていくという事は自然な成り行き。それは研究においてもネガティブなものではないというのは、少し救われた感覚。広がりすぎて途方に暮れることも多々あった。そして、大切なのは「他者に向けて提示するということ、そしてそのためには何かを選択して示すということ」でした。
これはまさに今自分がブログを書くにあたっても、一番課題のあるところ。なんとなくのところで、ここは自分自身向け、ここは読んでもらう向けとはしているものの、と。このブログ自体のコンセプトが「自由」ということもあるので、今のところとしては良いのかもしれないけれど、少しずつ読者も増えてきていることを鑑みたり、今後何かの研究プロセスに入っていくときに、この辺りが曖昧なままではいけないなと、改めて思い直すことになりました。
私の場合は不器用なのでとりあえずフォームに頼ってみようと考え、今回のブログから「自分向けのものは自分向け」と提示したり、いずれの場合においても、書くプロセスをある程度明確化しようということになりました。今回のこの記事も事前にExcelでプロットだけ作ってから書いています。
少し長いけれど重要箇所を引用。
【ここでいう「目的のある深い議論」とは、まさに自分はどのような問題について研究しようとするのか、という研究計画に他なりません。 多くの問題関心の中から、問題を一つに絞り込み、その問題について深く掘り下げるための作業が必要です。 そのためには、具体例を提示し、当面の自分の意見をまとめることが必要です。それがすなわち現段階での自分の意見(仮説)ということになります。 したがって、いろいろな問題関心の中から、問題(テーマ)を一つに絞ることが必要で、テーマを一つに絞りさえすれば、自分が何を言いたいのかもやがてはっきりしてくることになるわけです。】
5【テーマを一つに絞り込むための手順】
この手順は
【①動機 ②具体例 ③当面の結論】
とし、自ら考えていくことの大切さを具体例を交えて解説。
ここはこの通りなのでメモとして残しておく程度に。
6【現場の「なぜ」を生かす】
いわゆる振り返りのプロセス
【①現場で考えたこと・思ったこと→②その問題について「なぜ」という問いを立ててみる→③その「なぜ」を説明するための具体例を考えてみる→④具体的な例に基づいて自分の意見をまとめてみる】
①〜③は日常的にやれているが、④はやれている時とやれていない時がある。
7【テーマの把握から他者への提示へ】
ここまでのプロセスは
【自分以外の他者へ、「なぜそのテーマか」ということを説得的に提示するための前段階】
以下はテーマを掘り下げていくときのメモ
【それは、まず自分のテーマをもう一度明確に把握し、そのための仮説を作り、それを説明する具体例を提示した上で、何をどこまで調べ、書くかを述べれば、おのずと結論への見通しが見えてくるはずです。】
8【データの扱い方】
第1次資料と第2次資料について言及。
つまりは実証的な生きたデータと、先行研究など。
9【個人的な経験やエピソードの意味】
以上のような(実際は他にも項目がある)プロセスを踏まえていくと、最初に出発点として提示していた「個人のエピソード」がだいぶ抽象化され、一般化してくる。こうやって、その分野での専門的な問題として把握されるようになってくる、と筆者も言及している。
多くの研究は、これらの個人的エピソードを基本的には乗り越えているとしている。
【「なぜ私は書くのか」「なぜ私は研究するのか」という問いを持っています。この問いを持たない研究は実に薄っぺらいなものです。】
▼感想まとめ
この本を読んでいくと、自らに常に置き換えながら考えていくことができる。
ハウツーも重要だが、同時にプロセスや考え方も大切にしていかなければならない。
まさに学び方を学べる本なのだなぁと今後も読み学び進めていくのが楽しみです。
そもそもの、「書く」ということを見つめ直させてくれます。
これは読んだ本を自身が身につけていくことに主眼を置いた記事です。
振り返り用の私的アウトプット。
今回の本は、前回の続き、細川英雄著【研究計画書のデザイン】です。
増補改訂 研究計画書デザイン 大学院入試から修士論文完成まで
- 作者: 細川 英雄
- 出版社/メーカー: 東京図書
- 発売日: 2015/10/10
- メディア: 単行本
引用について、基本的に同著からのものは【】で提示し、ページ数などは割愛いたします。
読んだページ:第2章 P27-P46
今回の引用
1【志望動機は、問題意識の根っこ】
2【現場感覚を大切に】
3【問題関心から問題意識へ】
4【目的のある深い議論へ向けて】
5【テーマを一つに絞り込むための手順】
6【現場の「なぜ」を生かす】
7【テーマの把握から他者への提示へ】
8【データの扱い方】
9【個人的な経験やエピソードの意味】
1【志望動機は、問題意識の根っこ】
この本自体の問題意識として、ハウツーだけではなく、そこへ至るプロセスが大切にされている。
志望動機はそもそも入学等への手続きではなく、本質的な動機。
当たり前ではあるのだけれど、改めてそこを見つめ直すきっかけになった。
個人的なエピソードを出発にしたらどうかと提案している。
これは自身の問題意識をはっきりさせていくために必要なことだと思う。
2【現場感覚を大切に】
筆者も言及しているが、これは必ずしも現場での仕事に関する具体的な方法そのものを示すものではなく、【毎日の仕事の中での何かに引っかかる感覚、これでいいのだろうかという感覚】。つまりは日常の振り返りの中に生まれてくるものを言語化することの大切さを説いているのだろう。
3【問題関心から問題意識へ】
手順と内容に至るプロセスを述べている。
【①研究テーマ ②研究目的 ③研究内容 ④研究方法・計画 ⑤研究成果に期待されるもの】
これらは書くというスキルだけの問題ではなく、【自分のやりたいことや考えていることを実現するための、具体的な道筋や方向性として考える事】。
もう少し具体的なところで、関心から意識へのプロセスを以下のようにまとめていた。
4【目的のある深い議論へ向けて】
私たちの関心というものは、好奇心の旺盛な人であっても、そうでない人でも、それを広げていくという事は自然な成り行き。それは研究においてもネガティブなものではないというのは、少し救われた感覚。広がりすぎて途方に暮れることも多々あった。そして、大切なのは「他者に向けて提示するということ、そしてそのためには何かを選択して示すということ」でした。
これはまさに今自分がブログを書くにあたっても、一番課題のあるところ。なんとなくのところで、ここは自分自身向け、ここは読んでもらう向けとはしているものの、と。このブログ自体のコンセプトが「自由」ということもあるので、今のところとしては良いのかもしれないけれど、少しずつ読者も増えてきていることを鑑みたり、今後何かの研究プロセスに入っていくときに、この辺りが曖昧なままではいけないなと、改めて思い直すことになりました。
私の場合は不器用なのでとりあえずフォームに頼ってみようと考え、今回のブログから「自分向けのものは自分向け」と提示したり、いずれの場合においても、書くプロセスをある程度明確化しようということになりました。今回のこの記事も事前にExcelでプロットだけ作ってから書いています。
少し長いけれど重要箇所を引用。
【ここでいう「目的のある深い議論」とは、まさに自分はどのような問題について研究しようとするのか、という研究計画に他なりません。 多くの問題関心の中から、問題を一つに絞り込み、その問題について深く掘り下げるための作業が必要です。 そのためには、具体例を提示し、当面の自分の意見をまとめることが必要です。それがすなわち現段階での自分の意見(仮説)ということになります。 したがって、いろいろな問題関心の中から、問題(テーマ)を一つに絞ることが必要で、テーマを一つに絞りさえすれば、自分が何を言いたいのかもやがてはっきりしてくることになるわけです。】
5【テーマを一つに絞り込むための手順】
この手順は
【①動機 ②具体例 ③当面の結論】
とし、自ら考えていくことの大切さを具体例を交えて解説。
ここはこの通りなのでメモとして残しておく程度に。
6【現場の「なぜ」を生かす】
いわゆる振り返りのプロセス
【①現場で考えたこと・思ったこと→②その問題について「なぜ」という問いを立ててみる→③その「なぜ」を説明するための具体例を考えてみる→④具体的な例に基づいて自分の意見をまとめてみる】
①〜③は日常的にやれているが、④はやれている時とやれていない時がある。
7【テーマの把握から他者への提示へ】
ここまでのプロセスは
【自分以外の他者へ、「なぜそのテーマか」ということを説得的に提示するための前段階】
以下はテーマを掘り下げていくときのメモ
【それは、まず自分のテーマをもう一度明確に把握し、そのための仮説を作り、それを説明する具体例を提示した上で、何をどこまで調べ、書くかを述べれば、おのずと結論への見通しが見えてくるはずです。】
8【データの扱い方】
第1次資料と第2次資料について言及。
つまりは実証的な生きたデータと、先行研究など。
9【個人的な経験やエピソードの意味】
以上のような(実際は他にも項目がある)プロセスを踏まえていくと、最初に出発点として提示していた「個人のエピソード」がだいぶ抽象化され、一般化してくる。こうやって、その分野での専門的な問題として把握されるようになってくる、と筆者も言及している。
多くの研究は、これらの個人的エピソードを基本的には乗り越えているとしている。
【「なぜ私は書くのか」「なぜ私は研究するのか」という問いを持っています。この問いを持たない研究は実に薄っぺらいなものです。】
▼感想まとめ
この本を読んでいくと、自らに常に置き換えながら考えていくことができる。
ハウツーも重要だが、同時にプロセスや考え方も大切にしていかなければならない。
まさに学び方を学べる本なのだなぁと今後も読み学び進めていくのが楽しみです。
そもそもの、「書く」ということを見つめ直させてくれます。
2016-01-29 09:10
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